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家賃の値上げを拒否された!

「従来の賃料なら払う」と言われたが…

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家賃の値上げ要求をしたところ、断られました。今までと同一額での家賃を納める旨の申し出がありましたが、これは拒否しています。借主は「今まで通りの額であれば支払う意思はある」と言っています。私の対応がまずく” 家賃を支払えないのは貸主が受け取らないことに原因があるので、このまま支払う必要はない”と受け取られていないか心配です。

家賃支払いがなければ契約を解除できる可能性あり

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家賃の受け取り方には、以下の2種類あります。
①借主が貸主方に家賃を持参する持参方式(振り込みを含む)
②貸主が借主方に家賃を受け取りに出向く取立方式

通常の賃貸借契約では、①の方法がとられていることが多いので、ここでは持参方式を前提に説明します。
貸主に直接支払う方法であれば、借主は受け取りの強要ができません。よって、借主に支払う意思があるのに支払えない事態に陥ります。このような場合、貸主は受け取りを拒否した分を家賃の不払いとみなし、賃貸借契約を解除できます。
ここで注意したいのは、原則として貸主が一方的に賃貸借契約を解除できない、ということ。さらに、もし一方的に賃貸借契約の解除をしたいのであれば、借主に「義務違反行為」が認められなければなりません。
借主側には様々な義務があります。家賃の支払いも、そのひとつです。たとえ貸主が家賃を受け取らなかった時でも、家賃の不払いが発生すればそれを理由に契約を解除できる可能性があるのです。

借主は対抗手段を講じてくる

POINT:「借主が契約解除を免れるためのノウハウ」を把握しよう
契約が解除されれば、借主は生活の拠点を失います。そのような事態を未然に防ぐためにも、解除を免れる対策を講じてくることが予想されます。
方法としては、次の2つが考えられます。
①口頭の提供(民法493条)
借主は、「口頭の提供」を行えば、契約の解除を免れます。
「口頭の提供」とは、家賃を支払う準備をしたうえで、それを受け取ってくれるよう貸主に告げ、支払う意思を明確にすることです。ですから、借主が実際に家賃を貸主まで持参し、家賃を支払う意思を伝えれば、「口頭の提供」を行ったことになります。
②供託をする
借主が口頭の提供を行えば契約の解除はできませんが、家賃が徴収できないというわけではありません。
借主が家賃の支払義務を果たすため、「供託」という手続きをとることが考えられます。
供託とは、家賃を法務局に預けることにより、家賃を払ったのと同じ効果を得る手続きのことです。
手続きは支払場所を管轄する法務局で行われるので、通常は、貸主の住所地を管轄する法務局に家賃が供託されることになります。
なお、供託は口頭の提供をしたうえで行わなければなりません。口頭の提供がなければ、供託をしても家賃を支払ったことにはならないのです(最高裁/昭和32年6月5日判決ただし貸主の家賃を受け取らない意思が明確なときには、口頭の提供をすることなく直ちに供託をすることが可能)。
※ 供託の手続きを知っておこう
供託では「供託書」という書類を作成します。
この供託書には、家賃の値上げを要求されたことを含め、貸主が家賃の受け取りを拒絶し、目下係争中であることまで記載します。貸主の家賃を受け取らない意思を明らかにするためです。
また、供託は、数カ月分の家賃をまとめて預けることも可能です。貸主は口頭の提供が行われずに放置されていた家賃がまとめて供託される場合、放置期間が3カ月以上になると、家賃の不払いを理由として賃貸借契約を解除できます。
質問では「借主はこのまま支払う必要はないか」ということですが、借主が一切何も行わなければ、家賃不払いを理由に契約を解除できます。

家賃の減額を請求する場合は?

借主が、家賃の値上げを拒否するケースとは別に、家賃の「減額」を求めてくることもあるでしょう。例えば、現在住んでいるマンションが、周辺の同様の物件と比べて明らかに家賃が高い場合に、値下げ要求してくるケースです。
この場合も、家賃が貸主と借主の合意によって決まるという原則は変わりません。借主側による一方的な値下げはできないので、貸主と協議をすることになります。
協議しても合意が得られない場合、法的手続きをとることになり、調停か訴訟により正式な家賃額を決めるという流れは、値上げ拒否の交渉と同じです。
やはり法的手続きで解決までに時間を要しますから、この間はそれまでと同額の家賃を請求するべきでしょう。
裁判で借主から要求された家賃額(従前の家賃より安い家賃額)が認められれば、貸主は、その差額に年1割の利息を付した金額を借主に返還しなければいけません。
もっとも、家賃の減額を求めて訴訟を起こす場合も、多くの時間とお金(弁護士費用、不動産鑑定士に支払う費用など)がかかりますから、借主側では、訴訟を起こした場合に採算がとれるか見極めてから行動に移すと思われます。
以上のように考えると、借主が家賃の減額を求める訴訟で採算がとれるのは、家賃がかなり高額な場合(主に営業店舗やオフィスの賃貸借契約)に限られると考えられます。

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